友人の墓前で

友人2人と、4年前に亡くなった友人Hの墓に参ってきた。

夏の終わりに亡くなったので、例年はお彼岸に行くのだが、

単純に今年は3人の都合が合わなくて1週間遅れ。

1人暮らしのいわゆる突然死。

過労死に近かった、と同業の友人が言うくらいだから、

もし存命なら、コロナ禍の今も必死で働いていたろう。

彼女は看護師だった。

 

2年前。

私が乳がんの手術をした直後。

相方は「ひっぱられるから(墓参りに)行くな」と言った。

そんな子じゃない、と返した。

友人たちは

「Hなら『まだ早い!』って怒るよ」

「自分が死んだのもまだ気づいてなさそうだしね」

と笑った。

 

中学高校と仲の良かった4人組のうち、

Hともう1人が既に亡い。

いつも笑っていたH。怒っても、困ったような笑顔だった。

何があっても、許してくれそうな彼女だった。

看護師はきっと、彼女にとって天職だったのだろう。

私が生き残って、どうして彼女がいないんだろう。

私なんかより、ずっといい奥さん、お母さんになると思ってたのに、

結婚もせず、子どもも産まず、仕事一筋で、

たった1人で逝ってしまうなんて。

 

それでも、先に逝ったもう1人の友人は、

告別式もなく、散骨してしまったので、参るところすらない。

こうして残された友人同士で墓参りをして、

1年に1度でもこうして思い出話ができるだけ、

まだいいのかもしれない。

線香の燃え尽きるまでの間、墓前であれこれ話した。

来年は、コロナじゃない話がしたいねと言いながら。